Mrs. GREEN APPLEの「コロンブス」は、コカ・コーラのサマー・キャンペーン「Coke STUDIO」のために、
前年の「Magic」に引き続き、そのタイアップ曲としてつくられました。
そんな「コロンブス」の歌詞の意味について考察をしてみたところ、
【探検家のコロンブス、恋愛、コーラ】という、
一見、交わりのなさそうな3つのワードが融合した歌詞であるとの解釈ができました。
それがどういったものなのか、考察した結果をお届けします!
ミセスグリーンアップルの「コロンブス」の歌詞は?
Mrs. GREEN APPLE(以下、ミセスと表記)の「コロンブス」の歌詞は、
以下のYouTube動画やXで投稿されているものから確認ができます。
ぜひ参考にしてみてください。
ミセス「コロンブス」🍏
楽曲は明るく季節は夏のような🍉
歌詞は冒険心をくすぐるようでとても意味深い pic.twitter.com/dZ2lHTNJL3
— ちぃたん☆🐑👶🌻🐕ゆいちゃん🐑のばぶ👶(しんせいおち↓😓)ひまりん🌻の犬🐕 (@Ir44plXUSzX9T6S) June 14, 2024
ご存知の方も多いと思いますが、
この「コロンブス」の歌詞を手掛けた人物は、
Mrs. GREEN APPLEのメンバーで、ギター&ボーカル担当の大森元貴さんです。
「コロンブス」の歌詞で注目すべき点は?
ミセスの「コロンブス」の歌詞を考察する上で注目すべき点を4つ挙げます。
1.歌詞に出てくる登場人物
「コロンブス」の歌詞に出てくる登場人物は次の通りです。
- 僕
- 君
- コロンブス
- あなた
- 私
- 自分
ざっくりですが、歌詞の1番では「僕」「君」という表現が使われていますが、
2番では「私」「あなた」「自分」といった表現がされおり、
一人称の表現の違いがあります。
2.コロンブスについての表現
歌詞の中には、楽曲の題名にもなっている「コロンブス」という人物名のほか、
コロンブスを連想させる表現が多く登場します。
以下にまとめてみました。
- 気まぐれにちょっと寄り道をした
- 海原に流れる
- コロンブスの高揚
- あぁ 愛すべき名誉の負傷が 盛大に祝われる微妙が
- 不安だけど確かなゴールが
- まるでそれは探検の様な 誰も知り得ない
- 素晴らしい絶景に やっと辿り着いた
- ほら また舟は進むんだ
- まず1個 宝箱を探すんだ
はっきりと「コロンブス」という歌詞が使われているのは
『コロンブスの高揚』という部分だけですが、
大航海時代にアメリカ大陸に上陸した探検家、
クリストファー・コロンブスのイメージにつながる表現が多くあることがわかります。
3.歌詞の構成
今回の「コロンブス」の歌詞の構成で注目すべき点は、
歌詞の始まりから終わりにかけて、
ある一部分を変えながら書かれているということです。
具体的には、以下の◯に入る歌詞(言葉)が歌の1番・2番・3番によって変えられているということ。
いつか◯が◯◯◯の様な
不安だけど確かなゴールが、
○○○日常が、
渇いたココロ○○○る様な
ちょっとした〇〇にクローズアップ
意味〇〇けど。
まだまだまだ○○○
◯◯ 飲み干したい 今日◯
◯に入る言葉が少し変わるだけで、
歌詞から受け取る意味や印象がだいぶ変わります。
4.歌詞の“ノリ”
「コロンブス」の歌詞を読んで気付くことの1つに“言葉のノリの良さ”があることがわかります。
“韻を踏んでいる”とも言えますが、
歌詞の語尾のほとんどが母音の「あ」で書かれている(歌われている)ことに注目です。
- ~が
- の様な
- ◯◯んだ
母音が「あ」で終わる言葉は、明るい印象を与える効果があるとされ、
母音が「あ」の言葉を多く使うとヒット曲になるとも言われています。
今回、コカ・コーラとのタイアップで書かれたこの歌詞は、
コーラ(炭酸飲料)の清涼感をノリの良い歌詞と明るい曲調で表現されています。
…以上4つの注目すべき点を踏まえ、
続けて、歌詞の意味についての具体的な考察をしていきたいと思います。
ミセスのコロンブスの歌詞の意味は?
まず、ミセスの「コロンブス」の歌詞の内容について考察していくと、
次のような解釈ができました。
- 恋愛中だった“僕と君”は、僕のワガママが原因で別れることになってしまった。
- 別れの日の“僕”はまだ未熟で、“君”に最後まで「ごめん」が言えなかった(後悔のイメージ)。
- 恋愛中や、別れたあとの“僕”の気持ちは、まるで探検家のコロンブスのよう(航海をイメージ)。
歌詞にある「君」=「当時付き合っていた彼女」(元カノ)という風に読むと、
歌詞の意味がわかりやすいかもしれません。
そんな「コロンブス」の歌詞に含まれる要素は次の2つ。
- 元カノや未来の自分に対する僕の心情を、探検家のコロンブスのイメージになぞらえた。
- コカ・コーラとのタイアップによる「コーラを飲む」というイメージから、「自分の欲求を満たしたい」という僕の願望。
以上の2つの要素がうまく混じり合って書かれた歌詞であると言えそうです。
…それでは、歌詞の冒頭から順に、
それぞれの歌詞が意味するところを徹底考察していきたいと思います。
歌詞①:いつか僕が眠りにつく日まで~
まずは「コロンブス」の歌詞の1文目より。
いつか僕が眠りにつく日まで
↑この歌詞の意味はシンプルに、
「眠りにつく日まで」=息絶える日まで という意味でしょう。
気まぐれにちょっと 寄り道をした500万年前
あの日もやっぱ君に言えなかった
↑「気まぐれ」「寄り道」は、
“僕”が心を奪われた何かがあった と考えられます。
そして「500万年前」というのは、
人類の歴史上、「類人猿」と「ヒト」が分岐された頃だとされているので、
500万年前=人生の分岐点 という意味だと考えられます。
ですので、
「あの日」=人生の分岐点=彼女と別れた日
と考えられ、
“その時、彼女に言えなかったことがある”という風に解釈できます。
歌詞②:偉大な大発明も~
1番の歌詞の3ブロック目より。
偉大な大発明も
見つけた細胞も
海原に流れる
炭酸の創造
↑
1行目と2行目は歴史的発明や発見について。
そして「炭酸の創造」という歌詞は、
コカ・コーラとのタイアップを意識して取り入れられたものだと思いますが、
「炭酸」はもともと自然界に存在していたもの(※天然炭酸水)です。
そんな「炭酸」をヒトは、
創造した=人工的に作り出した(※人工炭酸水)という歴史があります。
そんな、創造されたもの=“僕”の中で新しく生まれたもの と解釈できると思います。
そしてそれらは、
「海原に流れる」=世界へとつながっている
ということを意味していると考えられます。
歌詞③:サビ1の部分
1つ目のサビ部分となる歌詞より。
いつか僕が眠りにつく日の様な
不安だけど確かなゴールが、
意外と好きな日常が、
渇いたココロに注がれる様な
↑「不安だけど確かなゴール」には、
次の3つの意味があると考えられます。
- 人生の終わり(ゴール)を迎える時
- コロンブスの行く末がわからない航海→未知の地への到着(ゴール)
- 自分が成し遂げたいことの最終目標(ゴール)
そして次の歌詞の、
「意外と好きな日常が」=これまで通りの日常も悪くはない
だけど、
「渇いたココロに注がれる様な」=コーラを飲んだ時の様な、
“心が満たされる感覚と刺激がある”という意味で捉えることができます。
ちょっとした奇跡にクローズアップ
意味はないけど。
まだまだまだ気づけていない
愛を飲み干したい 今日も
↑
太字の部分は2番や3番で言葉が変わる部分なので、要注目です!
そして、この1番の歌詞のサビ部分の内容と意味は、
- 「奇跡」…僕(自分)が本当にやりたいことを見つけられたかも?
- 「意味はない」…でもだからと言って
- 「気づけていない」…自分でもよくわからない
- 「愛を飲み干したい」…今は彼女を大事にしたい
“僕”の中で何か、少しだけ変化が起き始めた様子が描かれていると考察できます。
歌詞④:「ごめんね」~
「コロンブス」の2番の歌詞にあたる部分を考察していきます。
「ごめんね」
それは一番難しい言
大人になる途中で
僕は言えなかった
↑この部分の歌詞で書かれている内容の意味は、
まだ大人になりきれていなかった当時の僕は、彼女に「ごめんね」と言えなかった。
これは、すでに別れてしまった“現在”から、“過去”を振り返っている場面であることがわかります。
また、「それは一番難しい言」という歌詞の表現は、
「事」と「言葉」を掛けていることから、
彼女に「ごめんね」という言葉と、
その気持ちを伝えることができなかった事(後悔)があると考えられます。
ではなぜ、“僕”はその気持を伝えられなかったのでしょうか。
その“ワケ”が何なのか、続きを考察していきます。
歌詞⑤:文明の進化も~
2番の歌詞の2ブロック目より。
文明の進化も
歴代の大逆転も
地底の果てで聞こえる
コロンブスの高揚
↑1文目と2文目に共通することは、変化や革命を表しているということ。
3行目、
「地底の果て」=日本の裏側=南アメリカ大陸=コロンブスが発見(※厳密には発見ではないですが。)
そしてここで言う「コロンブスの高揚」とは、
「(新大陸を)見つけた!」という胸の高まりが表現されていて、
それはつまり、“僕が本当にやりたい事を見つけた!”という
確信を持った瞬間だと解釈することができます。
歌詞⑥:サビ2の部分
2つ目のサビの部分は、サビ1の歌詞の一部分を変化させて書かれています。
その対比に着目して見ていきましょう。
いつか君が乗り越える寂しさの様な
平等な朝日と夜空
胃が痛くなる日常が、
渇いたココロをしゃんとさせる様な
「いつか君が乗り越える寂しさ」は、
“もし僕が別れを切り出したら彼女は悲しい思いをするだろう”
という想像から、
毎日の悩み=「胃が痛くなる日常」と表現しているのでしょう。
しかし、「渇いたココロをしゃんとさせる様な」という歌詞には、
- コーラの刺激で気合を入れる
- 自分の心がブレないようにする
という意味があると考えられるので、
自分のやりたいことを貫き通したいという前向きな意志表現があると思います。
ちょっとした美学にクローズアップ
意味しかないけど。
まだまだまだ傷つけてしまう
哀に教わってる 今日も
“僕”の貫き通したい想い=「美学」であり、
それが、彼女と別れる理由=「意味しかない」ことであり、
別れを切り出す瞬間も、別れる日も、別れたあとも、
彼女を「まだまだまだ傷つけてしまう」というように解釈できます。
そして注目すべき歌詞は、「哀」という表現。
1番の歌詞では「愛」が使われていて発音がリンクしていますが、
意味は全く別のものとなっており、
「哀に教わってる」=過去の悲しさを今も背負って糧としている
という意味で捉えることができます。
歌詞⑦:あなたとの相違は~
Bメロにあたる部分の歌詞を考察していきます。
あなたとの相違は
私である為の呪いで
卑屈は絶えないが
そんな自分を
本当は嫌えない
↑ここでの歌詞表現は、
僕が彼女との別れを選んでしまったのは、僕が僕らしくいるためで、それは僕のワガママでしかない。でもその選択は、間違っていないと信じている。
そしてこの部分の歌詞で注目すべき点は、
これまでは“僕と君”だったのが、“私(自分)と あなた”に変わっていることです。
これは、二人の距離感が遠のいた、
もしくは時間が経過し大人になったと考えられます。
そんな現在の“僕”の考えをコロンブスの経験になぞらえて表現されているのが、次の歌詞。
あぁ 愛すべき名誉の負傷が
盛大に祝われる微妙が
大切な様な
「愛すべき名誉の負傷」=大切な彼女との別れ
「盛大に祝われる微妙」=コロンブスの勘違い
そして「大切な様な」は、先ほどの2つを例に、
自分にとってマイナスの様な経験も必要という意味と考えられ、
たとえ傷ついても、間違っていても、行動を起こすことが大切
という解釈ができます。
歌詞⑧:サビ3の部分
3つ目のサビ部分も、サビ1とサビ2の歌詞の一部(太字部分)を変化させて書かれています。
何処かへ続いて
不安だけど確かなゴールが、
意外と早い日常が、
渇いたココロに注がれる様な
ちょっとした遊びにクローズアップ
繋がり合うでしょう。
ただただただくたばるまで
あなたと 飲み干したい 今日を
↑この部分で注目すべき歌詞は「遊び」です。
「遊び」という言葉には、
生きていく上で絶対的に必要なものではないけれど、自分にとって心を満足させるために必要なもの。
という意味があります。
なので、そのあとの「繋がり合うでしょう」は、
歌詞の1番と2番で書かれていた、自分の中で芽生えた気持ちと繋がる
ということを意味していると考えられます。
以上を踏まえると、この3番のサビの歌詞は、
自分がこれからどうなっていくかはまだわからない。
でも今、“僕”がやりたいことにはきっと意味があるはずだから、やれるところまでやってみる。
あなた(別れた彼女)のことを想いながら。
といった解釈ができます。
歌詞⑨:“君を知りたい”~
Cメロにあたる部分の歌詞について考察したいと思います。
“君を知りたい”
まるでそれは探検の様な
誰も知り得ない
優しい孤独にそっと触れる様な
“君を知りたい”
まるでそれはオーロラの様な
未だ知り得ない素晴らしい絶景に
やっと辿り着いた様な
↑この部分では“僕”の心情を再びコロンブスになぞらえた表現がされています。
そしてここで注目したいポイントが、
「“君を知りたい”」という歌詞。
この“君”が意味するものは、
これまで登場した“元カノ”のことではなく、
“本当の僕”を自分で客観的に見た場合に“君”と表現している と考察します。
ですので、1つ目の“君を知りたい“の部分の意味は、
本当の僕を知るためには、その昔、コロンブスが真実を知らされないまま探検を続けたというような生き方ではなく、その真実に触れる必要がある。
そして、2つ目の“君を知りたい”の部分の意味は、
本当の僕を知るというのはきっと、未だ見たことのないようなオーロラの絶景を目の当たりにするようなものであり、まだ謎多きオーロラの正体を解き明かすようなものだ。
というような解釈ができます。
歌詞⑩:ほら また舟は進むんだ~
「コロンブス」の歌詞の最後の部分について考察します。
ほら また舟は進むんだ
出会いや別れを繰り返すんだ
潤んだ瞳の意味を生かすには
まず1個 宝箱を探すんだ
↑コロンブスになぞらえた「舟」という歌詞表現ですが、
もし「船」という表記であれば、エンジンのある大型船を指しますが、
「舟」の場合は、
「舟」=手で漕ぐもの=自分の力で進む という意味になります。
そして、「宝物」ではなく「宝箱を探す」という歌詞表現は、
どんなものが入っているかわからない宝箱→本当の自分を探す
と考えることができるため、
歌詞の最後の部分の意味をまとめると、
この先もまた出会いと別れはあるだろうけれど、別れる時に彼女が見せた“涙”を無駄にしないためにも、これが本当の僕だ!と言えるものを、まずは1つ見つけてみせる。
と解釈できると思います。
…ちなみに、この「コロンブス」の歌詞の物語の“その先”をさらに深読みすると、
“僕”が無事に「宝箱」を見つけたとしたら、
きっと、彼女のもとへ持ち帰るのではないかと想像します。
まとめ
Mrs.GREEN APPLE(ミセス)の「コロンブス」の歌詞の意味について徹底考察してきました。
当サイト独自の考察結果としては、
“僕”を主人公とした元カノに対する想いを、
探検家のコロンブスが持つイメージになぞらえつつ、
コカ・コーラとのタイアップ曲という背景からコーラを飲んだ時のイメージも含めて、
“僕”の心情を表現した歌詞である、と読み解きました。
以上、ご覧になった方の参考になれば幸いです♪
当ページをご覧いただきありがとうございました。